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2010年 12月 19日

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー_b0178615_2244355.jpg
伊坂幸太郎さんの最新文庫本で映画にもなったやつですね。
少し前から読み出してたんですがなかなか進まなくて、2/3ほど残っていたのを昨晩から今日の朝までかけて読みました。
しんどい。

伊坂氏の本の中でもこんなに怖い本は初めてですね。
ラッシュライフなんかでも日常生活を送る主人公の想像以上の大きさの裏社会の組織が出てきますがここまで得体の知れないものではない。
他の作品にも良心や罪悪感の欠片も無く利己的な理由か単なる楽しみとして殺人や人を陥れることができる「純粋な悪人」が時々出てくるけど
それは個人であって組織ではない。

全く規模のわからない大きな存在の想像を絶する用意周到な計画によって首相殺人犯に仕立て上げられる主人公と、
ほとんど感情をおもてに出すことなく主人公を陥れる作業を淡々とこなす警察。
この辺がめちゃめちゃ怖いです。
こんなことが実際に起こったら一体一個人に何ができるだろうか、まあこのあたりがこの本のテーマなわけです。

そして伊坂作品らしく途中に一見無秩序にばら撒かれた布石が、手品でも見るかのようにどんどん回収されて行くところが面白いわけですが・・・。

そっから先は書くとあれなんでやめときますが
あとがきを読むと伊坂さんはそれまでの作品でははひろげた風呂敷を畳むように書いていたのを、
この作品からは風呂敷は広げたままで良いんじゃないかという考え方に変わったそうです。

ああ、だからここまで風呂敷を拡げられたのね、それでこんなに怖い本になってるのかと納得。
まあだからといって読み終えてすっきりしないと言うことも無い。
伊坂作品には「純粋な悪」がでてくる半面、純粋な善とまでは行かなくても純粋に主人公に力を貸してくれる人が出てきますね。
そして当然いつものごとく面白い。
ゴールデンスランバー_b0178615_23151729.jpg

カメラ  PENTAX K-x
レンズ  smc PENTAX-DA L18-55mmF3.5-5.6AL
撮影地  神崎川始点
この付近に「悪魔の水門 近づくな 子供を亡くした親より」ってことを書いためっちゃこわい看板があります。

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by tom_nish | 2010-12-19 23:20 | PENTAX K-x


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